2005-01-01から1年間の記事一覧

そんなのだいたい分かるさ

「今どきは糸なんて使わない」 「使うとしたら、○○○○と□□□□□」 これは森博嗣『Φは壊れたね』の中での密室トリック論議の中での西之園萌絵の言葉。 (○○○○や□□□□□にはちゃんと言葉が入っている) 森博嗣はマジックのトリックについてある本の中で「だいたい分…

書庫

11月11日(金)21時テレビ東京『所さんのそこんトコロ』 学校では教えてくれない疑問に答えてくれる番組。 折り紙の達人が出るとの情報をもらって録画しておいたのを本日見た。 折り紙の話はまたいつかすることにして今日は別の話。 「国会議員はどこ…

Effect is everything

テレビ朝日11月12日(土)19時〜22時の『超進化!天空の魔術師・HIRO 奇跡の四次元ストリートマジック』は、やりたい放題のマジック番組でとてもおもしろかった。 この形のマジック番組はアメリカのデビッド・ブレインが始め(最初の頃のアドヴァイ…

前の席に座るとカードをひくことになる

奥泉光『モーダルな事象』(文藝春秋 本格ミステリ・マスターズ 2005年7月10日発行)を読んでいる。 なかなか終わらない。 饒舌なのだ。 まるで18世紀のイギリス小説、例えばローレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』(岩波文庫)を読んでいるよ…

『奥さまは魔女』

二コール・キッドマン主演の『奥さまは魔女』を見てきた。 軽快なラブコメディ。 映画館でぜひ見なければという映画ではないのだが最近こういった映画を映画館で見ていなかったのでなかなかよかった。 上に昇るためには何でもする野心家のように見えるニコー…

B13号船室−北村薫トークセッションその1

カーのラジオ・ドラマ『B13号船室』(『カー短編全集4 幽霊射手』(創元推理文庫))の中でヒロインが<パリの万国博覧会を見に母娘がパリに来てホテルに泊まり娘が外出して戻ってみると母親がいなくなる>話が気になってならないという場面が出てくる。…

忍法帖をつぐ者

獅子宮俊彦『砂楼に登りし者たち』(東京創元社 ミステリ・フロンティア14 2005年4月15日発行 定価¥1,500)を読書中。 この人、山田風太郎風の忍法小説・伝奇小説を書けそうな気がする。 数年前『太閤の復活祭―関ヶ原秘密指令』を書いた中見利男も書けそう…

 今月のクリスティ再読。

アガサ・クリスティ『象は忘れない』(Agatha Christie 『Elephants can Remember』 1972年作品)(中村能三訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫 1979年1月31日発行) 年代順でいうとクリスティが書いた最後のポアロもの。 (『カーテン』は若いときに書いた…

ミスディレクションについてわかりやすく

大型古書チェーン店の百円棚で高木重朗『魔法の心理学』(講談社 講談社現代新書 1985年8月20日発行)を見つけたので買った。 1992年4月13日の11刷(1992年当時定価¥600)。 現在品切れ。 この本、いつ品切れになったのだろう。 つい5・6年前まで新刊本屋…

『姑獲鳥の夏』

映画『姑獲鳥の夏』を見てきた。 実相寺昭雄が『怪奇大作戦』のノリで撮った京極ワールド。 かなり楽しめた。 上映時間133分が苦にならなかった。 でも、これは見る人によって賛否両論分かれそう。 実相寺好きならたぶん楽しめるはず。 ○あの分厚い作品を…

復刊本のほうが見やすい

復刊した松田道弘『クロースアップ・マジック』(ブッキング 2005年7月20日発行 定価¥2,625)を本屋の店頭でみかけた。 単行本サイズなので文庫版の『即席(クロースアップ)マジック入門』(ちくま文庫)よりも絵が見やすい。 これは、文庫版をもっている…

マジックのテクニックを本だけで学ぶのは難しい

昨日の<「同じテクニックができるようになる」までがなかなか難しくて>の続き。 コイン、スポンジボールなどを使ったトリックを行うには必ず習得しなければならないテクニックがある。 それは、それらの物を手に握って消すテクニック。 松田道弘『クロース…

クロース・アップ・マジック入門

松田道弘『クロースアップ・マジック』が復刊ドットコムつまりブッキング社から復刊される。 定価¥2,625。 この本でクロース・アップ・マジックを覚え始めた人間にとって思い入れのある本であり今回の復刊はうれしい。 元々は金沢文庫から1974年に出た本で…

『ねずみとり』は謎解きミステリ劇としてはどうなんだろう

アガサ・クリスティ『ねずみとり』(The Mousetrap、1947年作品)はクリスティの他の戯曲に比べて謎解きミステリ度はどうなんだろう。 というのは後半のトロッター刑事のミス・ケースウェルへの尋問シーンに違和感を覚えるのだ。 今まで『そして誰もいなくな…

書店にて−ミステリ好きの会話

昨日リブロ池袋で「さて、どちらを今日は買ってかえろうか」と2冊の本を目の前に悩んでいると、声をかけられた。 「SRの会」、「ROM」で知り合ったMさんだった。 手にはハヤカワ・ポケット・ミステリの新刊ポール・アルテ『カーテンの陰の死』を持っ…

マニアだったとは

吉村達也がマジックをするとは知らなかった。 吉村達也『マジックの心理学−推理作家による謎解き学』(角川書店 角川oneテーマ21 2005年7月10日発行 定価¥724+税)を購入。 15分ほど斜め読みしただけなのだがまずわかることは「この人、マニアだ。特にク…

2005年の厚川賞パーティ

今年2005年の厚川昌男賞パーティは10月9日ごろにおこなわれるらしい。 厚川昌男、本職が紋章上絵師であり、推理作家である泡坂妻夫さんの本名。 「泡坂妻夫」は「厚川昌男」=「ATUKAWA MASAO」のアナグラムとなっている。 推理作家として熱烈なファンをもつ…

三匹の盲目のねずみ

三百人劇場で公演している大和田伸也演出の『マウストラップ』を見てきた。 アガサ・クリスティが書いた戯曲、1952年作品。 (わざわざ英語読みにせず『ねずみとり』のままでいいんじゃないかとは思うのだが) 2年前の公演より楽しめた。 モリー・ロールス…

本の交換会-テーマは『書物に関する本』

1年に1回か2回、インターネット上で知り合ったミステリ好きの仲間でオフ会をしている。 昨日はそのオフ会。 このオフ会では好例行事があり、それはあるテーマを決めてそのテーマに沿った本を持参して交換をしようというもの。 今回のテーマは『書物に関す…

エド・マクベイン死去−2005年7月6日

エド・マクベインEd Mcbainが亡くなった。 享年78歳。 インターネット上の知人に教えてもらった。 最新翻訳作品の87分署『歌姫』(『The Fruimious Bandersnatch』、2004年作品)や「ミステリ・マガジン2005年4月号(No.590)」に載った短篇『即興』(『…

John bannon『Dear Mr. Fantasy』を購入

ジョン・バノンJohn Bannonの久しぶりのカード・トリックの本『Dear Mr. Fantasy』(2005年発行)を購入。 前作『Smoke & Mirrors』以来13年ぶりの著作だ。 ジョン・バノンのカード・トリックは、難しいテクニックが不要で、でも巧妙な騙しのテクニックがい…

古典のこと

ミステリ・SF好きの人たち何人かのブログに「古典」についての記述がありお互いの論旨が少しずれているような気がしたので一言。 たぶんそれぞれ「古典」の定義が違うのだろう。 ○古典(あるいはクラシック)とは書かれた年代が古い作品を指すのでは無い。…

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『マライアおばさん』

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『マライアおばさん』(Diana Wynne Jones『Black Maria』 1991年作品)(田中薫子訳 徳間書店 2003年11月30日発行 定価1,700+税) 人間の悪意を描いた日常と地続きのファンタジー。 ダイアナ・ウィン・ジョーンズの描く『悪意…

先々行上映も始まり

7月9日(土)日本封切りの『スター・ウォーズ エピソード3』。 今日6月25日(土)の先々行上映は多くの映画館で行われている。 今日いくつもりだったのだがいろいろと用事があり行けずじまい。 行けなかったので少しでもスター・ウォーズ気分を味わお…

悪魔の折り紙

下の<ヨーダ>折り紙と同じURLにミステリとの関連が深い折り紙の画像が載っている。 それはこちら↓ http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/origami/akuma.html 綾辻行人の館シリーズで島田潔が折っていた作品である。 折り紙は本サイトのテーマであるマジック…

小路幸也『HEARTBEAT』

小路幸也『HEARTBEAT』(東京創元社 ミステリ・フロンティア15 2005年4月28日発行 定価¥1,500+税) 青春ミステリの快作。 たぶん村上春樹の影響を受けているのだろうが、伊坂幸太郎作品と同じく村上春樹の物まねでなく独自の路線を出している作品。 謎解き…

パケットに焦点を

東京堂出版(http://www.tokyodoshoten.co.jp/)の2005年7月刊行予定のマックス・メイブンMAX MAVEN著『パケット・トリック』(予価¥3,600)は『Focus』のこと。 マックスおじさんがフィル・ゴールドスタインPhil Goldstein名義で考案したカードトリックの…

西の善き魔女1〜3

荻原規子作品読書2本目。 まだ途中までだけれど。 『西の善き魔女1 セラフィールドの少女』(中央公論社 C*NOVELS Fantasia 1997年9月25日発行 1997年当時定価¥800+税) 『西の善き魔女2 秘密の花園』(中央公論社 C*NOVELS Fantasia 1997年11月25日発…

魔法の杖

「ROM no.123」はジョン・バカンの特集。 邦訳のあるバカンの作品で読んでみたいのだがなかなか手に入らない作品がある。 それは『The Magic Walking Stick』 邦訳名は『魔法の杖』(版によって『まほうのつえ』だったり『魔法のつえ』だったりする)(講談…

密室の原理

『有栖川有栖の密室大図鑑』をパラパラめくっていて折原一の『天外消失事件』がおもしろそうだったので、そういえば折原一『五つの棺』は読んだけれどこれは読んでいなかったなと『七つの棺』(東京創元社 創元推理文庫 1992年11月27日発行)を読んでみた。 …