2004-01-01から1年間の記事一覧

大山誠一郎「アルファベット・パズラーズ」

大山誠一郎「アルファベット・パズラーズ」 東京創元社 2004.10.19発行 定価¥1,500 期待の新人・大山誠一郎の初単行本。 期待を裏切らず切れ味鋭いロジック・ミステリを楽しめるのだが三つ目の話については保留つき。 初めは翻訳者として名前を知った大山誠…

レイモンド・スマリヤン「天才スマリヤンのパラドックス人生」

レイモンド・スマリヤン「天才スマリヤンのパラドックス人生」 (Raymond Smullyan 「Some Interesting Memories : A Paradoxical Life」2002年作品) 講談社 高橋昌一郎訳 2004.11.15発行 定価¥1,800+税 論理学者、数学者、音楽家、大学教授、クロース・…

飛鳥部勝則『レオナルドの沈黙』

飛鳥部勝則『レオナルドの沈黙』(東京創元社 2004.8.30発行 定価¥1,600+税)読書中。 降霊会シーンから始まりテレパシーによる遠隔殺人と飛鳥部版『読者よ欺かるるなかれ』か、といった展開をする物語。 いつもの飛鳥部作品と違いとても読みやすい。 いつ…

「THE PINOCHLE TRICK」

日本映画専門チャンネル今月のスペシャル番組の一つが「24時間まるごと“元祖名探偵・明智小五郎”」 その中の『黒蜥蜴』を見た。 監督が井上梅次、明智小五郎に大木実、緑川夫人(つまり黒蜥蜴)に京マチ子。 1963年の作品だ。 江戸川乱歩の原作に沿っ…

「マジック『首のない女』」

クレイトン・ロースンの『首のない女』(「The Headless Lady」1940年作品、上野景福訳 東京創元社 世界推理小説全集68 1958.9.30発行)は絶版であり古書高価本なので読んだ人はたぶん少ない。 ではミステリ好きは読んでおいたほうがよい本かと言えばそう…

松本清張『時間の習俗』

松本清張『時間の習俗』(「旅」1961.5〜1962.11連載)を再読中。 第二次大戦後の日本で推理小説ブームを巻き起こした『点と線』のコンビが活躍するアリバイ破りものの佳作である。 謎解きミステリ・ファンから目の敵にされている松本清張だが(そんな気がす…

ノーマン・ギルブレス・レクチャー(2004.10.30)その1

マジックランド(東京・茅場町)で行われたノーマン・ギルブレスNorman Gilbreathのレクチャー(18時半開始で2時間ほどのレクチャー)記録その1。 日本に来たのは観光が主目的(奥様ご同伴)なのだが、せっかくだからとマックス・メイビンMax Mavin(ま…

恩田陸「Q&A」

恩田陸「Q&A」 幻冬舎 2004.6.10発行 定価¥1,700+税 全編会話体の物語。 こちら側から始まり、最初の一つ二つはこちら側で進むのだがだんだんとあちら側にずれていく。 そのずらしかたが絶妙でなんとも怖い。 そこから、あちら側とこちら側の間を揺れな…

ミステリ・マガジン2004年12月号

『ミステリ・マガジン2004年12月号(No.586)』(早川書房)の特集は「女性作家の時代」。 幻の未発表作品とうたってクリスチアナ・ブランドの短篇が載っている。 だが短すぎ。 見開き1ページで終わる掌編。 幻の未発表作品って、えてしてこういう場合が多…

マジックのメカニック

クロース・アップ・マジック好きのミステリ作家・殊能将之が10/19日記に、マギー司郎の演じる縦縞のハンカチを横縞に変えるマジックと、マジシャン・ムッシュ・ピエールの演じる同様のしかし方法・現象が異なるマジックとを比較して、マジックのトリックと不…

ある人生「浮かれの蝶」

昨日(2004-10-17)23時10分からのNHK総合「NHKアーカイブズ」の後半は1968年(昭和43年)5月4日 放送の『ある人生「浮かれの蝶」』。 手妻「浮かれの蝶」受け継ぐ三代目帰天斎正一の誰にこの芸を受け継がせるか悩む姿を描いたドキュメンタリー。 とて…

「前田知洋…奇跡の指先」一言メモ

本日の日本テレビ21時からの『スーパーテレビ特別版 「世界一の超トリックあなたは見破れるか・前田知洋…奇跡の指先最新作クロースアップマジックを独占公開」』はとてもおもしろかった。 詳しい感想は後で書くことにして本日はメモ書き程度で。 ○前田さん…

難しいといきは形を変えてみようじゃないか

「困難を分割せよ」、という言葉がある。 大方の謎解きミステリ・ファン、特に不可能犯罪ミステリ・ファンは、この言葉を「ミステリ・マガジン」(早川書房)に連載していた松田道弘の『とりっくものがたり』(筑摩書房 ちくまブックス 1979.5.25発行、文庫…

矢作俊彦の新作

矢作俊彦の新作が出た。●矢作俊彦「THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ」 角川書店 2004.9.11発行 定価¥1,800 久しぶりのハードボイルド作品、二村永爾ものであることがうれしい。 原型は『別冊野生時代 矢作俊彦』(角川書店 1995.1.5発行 1995年当時定…