2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

森谷明子『れんげ野原のまんなかで』

森谷明子『れんげ野原のまんなかで』(東京創元社 ミステリ・フロンティア 2005年2月28日発行 定価¥1,500+税) 市の外れにある利用者の少ない図書館(館長と職員3名プラスアルバイト数名)を舞台にした日常ミステリ。 全5話からなる連作短篇集。 加納朋…

『ハードボイルド』に二言 

原りょう『ミステリオーソ』(早川書房 ハヤカワ文庫JA 2005年4月30日発行 定価¥600+税)、『ハードボイルド』(早川書房 ハヤカワ文庫JA 2005年4月30日発行 定価¥600+税)を買った。 単行本版『ミステリオーソ』(早川書房 1995年6月発行)の増補版…

その3:新・箱根クロースアップ祭(第13回)レポート

新・箱根クロースアップ祭に参加するとマジックグッズがおみやげにもらえる。 と言ってもマジックのネタそのもではなくマジックの素材となるもの、がである。 これをどのように使うかは各自自分で考えてみよう、というわけだ。 今年はトランプ。 裏の色が緑…

蔵書紹介その11「雑誌 幻影城」

雑誌『メフィスト』(講談社)今月号に有栖川有栖台湾行きのエッセイ、雑誌「幻影城」島崎博編集長に会う、が載っているという話をきいて本日はこれ。 『雑誌 幻影城』の創刊号(1975年2月号)から1年分。 最初の頃の表紙絵はおどろどろしい。 1976年に山野…

解説としてはいかがなものか?

この青い鳥文庫版『三幕の悲劇』の解説で数藤康雄が 「とちゅう退屈な部分がないこともない作品ですが最後まで読みとおしてくださいね」 と書いている。 退屈か退屈でないかは読む人で違う。 また、「クリスティには退屈なところがある」と青い鳥文庫でクリ…

青い鳥文庫版のクリスティ

青い鳥文庫版のアガサ・クリスティはどれも読みやすい。 ミステリ・マガジンの元編集長で評論家・翻訳家の各務三郎が『はじめて話すけど』(フリースタイル 2002年7月発行)の中で、大人向けミステリを子供向け本で完訳するのは大人向け本の完訳より技術がい…

月に一度のクリスティ

今月は『三幕の悲劇』(Three Act Tragedy、1935年作品) 講談社青い鳥文庫版『三幕の悲劇』(花上かつみ訳 2004年8月15日発行 定価¥760)で読んだ。 毎度同じく今回も話の内容をすっかり忘れていたので楽しめた。 クリスティには殺人の動機がミスディレク…

その2:新・箱根クロースアップ祭(第13回)レポート

ハウダニットの謎解きミステリのトリックは「なになにもの」と分類できるものがある。 例えば「密室もの」だとか「アリバイ破りもの」だとか。 マジックのトリックも「なになにもの」と分類できるものがある。 『Oil and Water』もその一つ。 コンセプトは誰…

その1:新・箱根クロースアップ祭(第13回)レポート

最後まで書こうと、毎年思いながらいつも尻切れトンボで終わってしまう「新・箱根クロースアップ祭」のレポート。 今回は最後までなんとか書き続けようと考えている。 レポートを始める前に、まず「新・箱根クロースアップ祭」とは何かを書いておこう。 * * …

『第13回新・箱根クロースアップ祭』

4月9日(土)、4月10日(日)の二日にわたって行われた『第13回新・箱根クロースアップ祭』に参加した。 日本で唯一のクロース・アップ・マジックのみのマジック・コンベンション。 とても充実した二日間を過ごすことができた。 今回はしっかりレビュ…

『愚か者死すべし』読了

箱根の行き帰りの電車の中で原りょう『愚か者死すべし』(早川書房 2004年11月30日発行 定価1,600+税)を読み終わった。 やはりチャンドラー色はとても薄い。 前三作とも色が違う。 似ている作風を探すとマイクル・Z・リューインのアルバート・サムスンも…

チャンドラー離れか?

遅ればせながら、原りょう『愚か者死すべし』(早川書房 2004年11月30日発行 定価1,600+税)を読み始めた。 原りょうの小説は、ロス・マクドナルドのプロットをチャンドラー『長いお別れ』の訳清水俊二の文体で書いたもの。 日本人の作品で比べると生島治郎…

そして誰も・・・

本日の読了本は、今邑彩『そして誰もいなくなる』(中央公論社 C★NOVELS 1993年8月25日発行 1993年当時定価¥780) クリスティ『そして誰もいなくなった』の本歌取りミステリ。 『マリオネットの罠』の頃の赤川次郎作品のような感じがするお話だ。 『そして…

このごろお金を出して買う本は・・

このごろは、小説本はとても好きな作家以外買っていない。 古本の小説本はもともとそうだったけれど最近買うことはめったにない。 小説本は買うときりがない。 買うときは読む気いっぱいでももしかすると積読になってしまう本を買うことは持っていること自体…