ミステリよもやま話

50年後は2009年

レイモンド・チャンドラーRaymond Chandlerが亡くなったのは1959年の3月26日。 著作権の保護期間は、作者の没後50年。 2009年になると、『おそらく各社がどっと新訳を出すだろうと言われている』と読んだのは吉野仁のサイトで。 誰が訳すだろう…

奇術作家の新刊

本屋に寄った。 泡坂妻夫さんの新刊『春のとなり』(南雲堂 2006年4月発行)を見かけた。 ここ最近雑誌「ミステリーズ」に載った犯人当て懸賞ミステリ以外ミステリを書いていない泡坂さんの新刊はもちろんミステリでは無い。 『このミステリーがすごい!(2…

カーは・・・

トリノ・オリンピックの聖火台についた火は聖火ランナーが持ってきた火じゃなくて花火の火じゃないんかい、と誰かつっこまないかな? * * * * 『SFが読みたい! 2006年度版』(早川書房 2006年2月15日発行 定価¥700+税)の池上永一インタビュウに『…

書庫

11月11日(金)21時テレビ東京『所さんのそこんトコロ』 学校では教えてくれない疑問に答えてくれる番組。 折り紙の達人が出るとの情報をもらって録画しておいたのを本日見た。 折り紙の話はまたいつかすることにして今日は別の話。 「国会議員はどこ…

B13号船室−北村薫トークセッションその1

カーのラジオ・ドラマ『B13号船室』(『カー短編全集4 幽霊射手』(創元推理文庫))の中でヒロインが<パリの万国博覧会を見に母娘がパリに来てホテルに泊まり娘が外出して戻ってみると母親がいなくなる>話が気になってならないという場面が出てくる。…

忍法帖をつぐ者

獅子宮俊彦『砂楼に登りし者たち』(東京創元社 ミステリ・フロンティア14 2005年4月15日発行 定価¥1,500)を読書中。 この人、山田風太郎風の忍法小説・伝奇小説を書けそうな気がする。 数年前『太閤の復活祭―関ヶ原秘密指令』を書いた中見利男も書けそう…

『姑獲鳥の夏』

映画『姑獲鳥の夏』を見てきた。 実相寺昭雄が『怪奇大作戦』のノリで撮った京極ワールド。 かなり楽しめた。 上映時間133分が苦にならなかった。 でも、これは見る人によって賛否両論分かれそう。 実相寺好きならたぶん楽しめるはず。 ○あの分厚い作品を…

書店にて−ミステリ好きの会話

昨日リブロ池袋で「さて、どちらを今日は買ってかえろうか」と2冊の本を目の前に悩んでいると、声をかけられた。 「SRの会」、「ROM」で知り合ったMさんだった。 手にはハヤカワ・ポケット・ミステリの新刊ポール・アルテ『カーテンの陰の死』を持っ…

本の交換会-テーマは『書物に関する本』

1年に1回か2回、インターネット上で知り合ったミステリ好きの仲間でオフ会をしている。 昨日はそのオフ会。 このオフ会では好例行事があり、それはあるテーマを決めてそのテーマに沿った本を持参して交換をしようというもの。 今回のテーマは『書物に関す…

古典のこと

ミステリ・SF好きの人たち何人かのブログに「古典」についての記述がありお互いの論旨が少しずれているような気がしたので一言。 たぶんそれぞれ「古典」の定義が違うのだろう。 ○古典(あるいはクラシック)とは書かれた年代が古い作品を指すのでは無い。…

悪魔の折り紙

下の<ヨーダ>折り紙と同じURLにミステリとの関連が深い折り紙の画像が載っている。 それはこちら↓ http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/origami/akuma.html 綾辻行人の館シリーズで島田潔が折っていた作品である。 折り紙は本サイトのテーマであるマジック…

魔法の杖

「ROM no.123」はジョン・バカンの特集。 邦訳のあるバカンの作品で読んでみたいのだがなかなか手に入らない作品がある。 それは『The Magic Walking Stick』 邦訳名は『魔法の杖』(版によって『まほうのつえ』だったり『魔法のつえ』だったりする)(講談…

密室の原理

『有栖川有栖の密室大図鑑』をパラパラめくっていて折原一の『天外消失事件』がおもしろそうだったので、そういえば折原一『五つの棺』は読んだけれどこれは読んでいなかったなと『七つの棺』(東京創元社 創元推理文庫 1992年11月27日発行)を読んでみた。 …

いつ買うか

『日影丈吉全集 別巻(エッセー+雑録)』(国書刊行会)を本屋で見かけた。 今までの中で一番厚いし高い。 第8巻の未刊行短篇を集めた巻で税込み1万円を超えて最終巻はそれよりも高くなった。 いずれ買うのだけれど今月これを買うとあとは何も買えないか…

なぜうけたのか

『クライム・クラブへようこそ (植草甚一スクラップ・ブック18)』を本屋で見かけた。 東京創元社の「クライム・クラブ」、「現代推理小説全集」の解説を収録した巻。 これもいずれ買わなければ。 全部読んだわけではないのだが、「クライム・クラブ」、…

氷河期?

『ミステリ・マガジン2005年7月号(No.593)』の海外ミステリ情報の中で浅羽莢子が 「どこまで続くコージー氷河期・・・」 と書いている。 おや、「コージー・ミステリ」の今はそのような状態だったのか。

イギリスのミステリ作家がクリスティを嫌う事情

ミステリ・マガジン連載の「英国ミステリ通信」の第79回(『ミステリ・マガジン2005年7月号(No.593)』)で松下祥子が 「イギリスで、クリスティは今でも確かに本が売れテレビ・ドラマも高視聴率を上げているがP・D・ジェイムズやルース・レンデルの世代…

蔵書紹介その11「雑誌 幻影城」

雑誌『メフィスト』(講談社)今月号に有栖川有栖台湾行きのエッセイ、雑誌「幻影城」島崎博編集長に会う、が載っているという話をきいて本日はこれ。 『雑誌 幻影城』の創刊号(1975年2月号)から1年分。 最初の頃の表紙絵はおどろどろしい。 1976年に山野…

解説としてはいかがなものか?

この青い鳥文庫版『三幕の悲劇』の解説で数藤康雄が 「とちゅう退屈な部分がないこともない作品ですが最後まで読みとおしてくださいね」 と書いている。 退屈か退屈でないかは読む人で違う。 また、「クリスティには退屈なところがある」と青い鳥文庫でクリ…

『愚か者死すべし』読了

箱根の行き帰りの電車の中で原りょう『愚か者死すべし』(早川書房 2004年11月30日発行 定価1,600+税)を読み終わった。 やはりチャンドラー色はとても薄い。 前三作とも色が違う。 似ている作風を探すとマイクル・Z・リューインのアルバート・サムスンも…

チャンドラー離れか?

遅ればせながら、原りょう『愚か者死すべし』(早川書房 2004年11月30日発行 定価1,600+税)を読み始めた。 原りょうの小説は、ロス・マクドナルドのプロットをチャンドラー『長いお別れ』の訳清水俊二の文体で書いたもの。 日本人の作品で比べると生島治郎…

恩田陸『Q&A』(幻冬舎 2004.6.10発行)を読んで「これと違う展開をしてくれればよかったのに」と思ったことが一つ。 『Q&A』の前半は、公共機関のようなのだけれど得体の知れない機関が事件に遭遇した人たち一人一人へのインタビューで話がすすむ。 …

その1

恩田陸『ユージニア』(角川書店 2005年2月3日発行 定価¥1,785)を読み始めた。 最初の2章を読んだところ。 『Q&A』(幻冬舎 2004年6月10日発行 定価¥1,700+税)と始まり方がよく似ている。

その2

恩田陸『ユージニア』の前に 氷川透『各務原氏の逆説 見えない人影』(徳間書店 トクマノベルス 2005年1月25日発行 定価¥860)を読んだ。 アクロバットが無いのが玉に瑕のひたすら論理で押しまくるロジックミステリを書く氷川透だが、このシリーズではおし…

別冊宝島1117号『大沢在昌特集』

宮部みゆき、京極夏彦と続いたのでそのうち出るだろうと待っていたムックが出た。 別冊宝島1117号『ALL ABOUT大沢在昌―大沢在昌全面協力』(宝島社 2005.3.1発行 定価¥1,365) 大沢在昌が初めて新人賞に応募した佐久間公の第1作『レスリーへの伝言』の…

職人作家の作品を読書中

何の本を読もうか、迷ったときは職人作家の本。 というわけでエド・マクベイン『歌姫』(Ed Mcbain『The Fruimious Bandersnatch』、2004年作品)(早川書房 山本博訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 2004.12.31発行)読書中。 海外だとローレンス・ブロック…