アガサ・クリスティ

 今月のクリスティ再読。

アガサ・クリスティ『象は忘れない』(Agatha Christie 『Elephants can Remember』 1972年作品)(中村能三訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫 1979年1月31日発行) 年代順でいうとクリスティが書いた最後のポアロもの。 (『カーテン』は若いときに書いた…

『ねずみとり』は謎解きミステリ劇としてはどうなんだろう

アガサ・クリスティ『ねずみとり』(The Mousetrap、1947年作品)はクリスティの他の戯曲に比べて謎解きミステリ度はどうなんだろう。 というのは後半のトロッター刑事のミス・ケースウェルへの尋問シーンに違和感を覚えるのだ。 今まで『そして誰もいなくな…

三匹の盲目のねずみ

三百人劇場で公演している大和田伸也演出の『マウストラップ』を見てきた。 アガサ・クリスティが書いた戯曲、1952年作品。 (わざわざ英語読みにせず『ねずみとり』のままでいいんじゃないかとは思うのだが) 2年前の公演より楽しめた。 モリー・ロールス…

青い鳥文庫版のクリスティ

青い鳥文庫版のアガサ・クリスティはどれも読みやすい。 ミステリ・マガジンの元編集長で評論家・翻訳家の各務三郎が『はじめて話すけど』(フリースタイル 2002年7月発行)の中で、大人向けミステリを子供向け本で完訳するのは大人向け本の完訳より技術がい…

月に一度のクリスティ

今月は『三幕の悲劇』(Three Act Tragedy、1935年作品) 講談社青い鳥文庫版『三幕の悲劇』(花上かつみ訳 2004年8月15日発行 定価¥760)で読んだ。 毎度同じく今回も話の内容をすっかり忘れていたので楽しめた。 クリスティには殺人の動機がミスディレク…