復刊本のほうが見やすい

復刊した松田道弘『クロースアップ・マジック』(ブッキング 2005年7月20日発行 定価¥2,625)を本屋の店頭でみかけた。 単行本サイズなので文庫版の『即席(クロースアップ)マジック入門』(ちくま文庫)よりも絵が見やすい。 これは、文庫版をもっている…

マジックのテクニックを本だけで学ぶのは難しい

昨日の<「同じテクニックができるようになる」までがなかなか難しくて>の続き。 コイン、スポンジボールなどを使ったトリックを行うには必ず習得しなければならないテクニックがある。 それは、それらの物を手に握って消すテクニック。 松田道弘『クロース…

クロース・アップ・マジック入門

松田道弘『クロースアップ・マジック』が復刊ドットコムつまりブッキング社から復刊される。 定価¥2,625。 この本でクロース・アップ・マジックを覚え始めた人間にとって思い入れのある本であり今回の復刊はうれしい。 元々は金沢文庫から1974年に出た本で…

『ねずみとり』は謎解きミステリ劇としてはどうなんだろう

アガサ・クリスティ『ねずみとり』(The Mousetrap、1947年作品)はクリスティの他の戯曲に比べて謎解きミステリ度はどうなんだろう。 というのは後半のトロッター刑事のミス・ケースウェルへの尋問シーンに違和感を覚えるのだ。 今まで『そして誰もいなくな…

書店にて−ミステリ好きの会話

昨日リブロ池袋で「さて、どちらを今日は買ってかえろうか」と2冊の本を目の前に悩んでいると、声をかけられた。 「SRの会」、「ROM」で知り合ったMさんだった。 手にはハヤカワ・ポケット・ミステリの新刊ポール・アルテ『カーテンの陰の死』を持っ…

マニアだったとは

吉村達也がマジックをするとは知らなかった。 吉村達也『マジックの心理学−推理作家による謎解き学』(角川書店 角川oneテーマ21 2005年7月10日発行 定価¥724+税)を購入。 15分ほど斜め読みしただけなのだがまずわかることは「この人、マニアだ。特にク…

2005年の厚川賞パーティ

今年2005年の厚川昌男賞パーティは10月9日ごろにおこなわれるらしい。 厚川昌男、本職が紋章上絵師であり、推理作家である泡坂妻夫さんの本名。 「泡坂妻夫」は「厚川昌男」=「ATUKAWA MASAO」のアナグラムとなっている。 推理作家として熱烈なファンをもつ…

三匹の盲目のねずみ

三百人劇場で公演している大和田伸也演出の『マウストラップ』を見てきた。 アガサ・クリスティが書いた戯曲、1952年作品。 (わざわざ英語読みにせず『ねずみとり』のままでいいんじゃないかとは思うのだが) 2年前の公演より楽しめた。 モリー・ロールス…

本の交換会-テーマは『書物に関する本』

1年に1回か2回、インターネット上で知り合ったミステリ好きの仲間でオフ会をしている。 昨日はそのオフ会。 このオフ会では好例行事があり、それはあるテーマを決めてそのテーマに沿った本を持参して交換をしようというもの。 今回のテーマは『書物に関す…

エド・マクベイン死去−2005年7月6日

エド・マクベインEd Mcbainが亡くなった。 享年78歳。 インターネット上の知人に教えてもらった。 最新翻訳作品の87分署『歌姫』(『The Fruimious Bandersnatch』、2004年作品)や「ミステリ・マガジン2005年4月号(No.590)」に載った短篇『即興』(『…

John bannon『Dear Mr. Fantasy』を購入

ジョン・バノンJohn Bannonの久しぶりのカード・トリックの本『Dear Mr. Fantasy』(2005年発行)を購入。 前作『Smoke & Mirrors』以来13年ぶりの著作だ。 ジョン・バノンのカード・トリックは、難しいテクニックが不要で、でも巧妙な騙しのテクニックがい…

古典のこと

ミステリ・SF好きの人たち何人かのブログに「古典」についての記述がありお互いの論旨が少しずれているような気がしたので一言。 たぶんそれぞれ「古典」の定義が違うのだろう。 ○古典(あるいはクラシック)とは書かれた年代が古い作品を指すのでは無い。…

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『マライアおばさん』

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『マライアおばさん』(Diana Wynne Jones『Black Maria』 1991年作品)(田中薫子訳 徳間書店 2003年11月30日発行 定価1,700+税) 人間の悪意を描いた日常と地続きのファンタジー。 ダイアナ・ウィン・ジョーンズの描く『悪意…

先々行上映も始まり

7月9日(土)日本封切りの『スター・ウォーズ エピソード3』。 今日6月25日(土)の先々行上映は多くの映画館で行われている。 今日いくつもりだったのだがいろいろと用事があり行けずじまい。 行けなかったので少しでもスター・ウォーズ気分を味わお…

悪魔の折り紙

下の<ヨーダ>折り紙と同じURLにミステリとの関連が深い折り紙の画像が載っている。 それはこちら↓ http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/origami/akuma.html 綾辻行人の館シリーズで島田潔が折っていた作品である。 折り紙は本サイトのテーマであるマジック…

小路幸也『HEARTBEAT』

小路幸也『HEARTBEAT』(東京創元社 ミステリ・フロンティア15 2005年4月28日発行 定価¥1,500+税) 青春ミステリの快作。 たぶん村上春樹の影響を受けているのだろうが、伊坂幸太郎作品と同じく村上春樹の物まねでなく独自の路線を出している作品。 謎解き…

パケットに焦点を

東京堂出版(http://www.tokyodoshoten.co.jp/)の2005年7月刊行予定のマックス・メイブンMAX MAVEN著『パケット・トリック』(予価¥3,600)は『Focus』のこと。 マックスおじさんがフィル・ゴールドスタインPhil Goldstein名義で考案したカードトリックの…

西の善き魔女1〜3

荻原規子作品読書2本目。 まだ途中までだけれど。 『西の善き魔女1 セラフィールドの少女』(中央公論社 C*NOVELS Fantasia 1997年9月25日発行 1997年当時定価¥800+税) 『西の善き魔女2 秘密の花園』(中央公論社 C*NOVELS Fantasia 1997年11月25日発…

魔法の杖

「ROM no.123」はジョン・バカンの特集。 邦訳のあるバカンの作品で読んでみたいのだがなかなか手に入らない作品がある。 それは『The Magic Walking Stick』 邦訳名は『魔法の杖』(版によって『まほうのつえ』だったり『魔法のつえ』だったりする)(講談…

密室の原理

『有栖川有栖の密室大図鑑』をパラパラめくっていて折原一の『天外消失事件』がおもしろそうだったので、そういえば折原一『五つの棺』は読んだけれどこれは読んでいなかったなと『七つの棺』(東京創元社 創元推理文庫 1992年11月27日発行)を読んでみた。 …

探偵三影潤全集(1)白の巻

仁木悦子『探偵三影潤全集(1)白の巻』(出版芸術社 2005年2月20日発行 定価¥1,600+税) 収録作品は長篇1つに短篇2つ、『冷えきった街』(1971年作品)、『白い時間』(1973年作品)、『白い部屋』(1980年作品) 仁木悦子はやはりいい。 三影潤ものは…

五十嵐貴久『TVJ』

五十嵐貴久『TVJ』(文藝春秋 2005年1月10日発行 定価¥1,800+税) 占拠されるテレビジャパン社屋の見取り図が一番最後のページにあるなんて。 そんな気づかないところに置かれても。 読み終わった後に見取り図を見てもそれじゃ意味がないでしょう。 不…

乾くるみ『リピート』

乾くるみ『リピート』(文藝春秋 2004年10月25日発行 定価¥1,571+税) おもしろい。 ケン・グリムウッド『リプレイ』(新潮文庫)ネタを、といっても『リプレイ』を元にしたドラマ『君といた未来のために』(日本テレビ 1991年放映 堂本剛・遠藤久美子・仲…

有栖川有栖『モロッコ水晶の謎』

有栖川有栖『モロッコ水晶の謎』(講談社 講談社ノベルス 2005年3月5日発行 定価¥860+税) 中篇3つに掌編1つ。 せっかく昨年の『スイス時計の謎』と『虹果て村の秘密』でデビュー当時のロジック・ミステリが戻ってきたと思っていたら本作品でいつもの火…

伊藤典夫編『SFベスト201』

伊藤典夫編『SFベスト201』(新書刊 2005年6月10日発行 定価¥1,600+税)を買った。 SFの古典から現代までの名作・傑作201冊を紹介するガイドブックだとばかり読み始めればそうではなかった。 紹介されているのはほとんどが1980年代から19…

いつ買うか

『日影丈吉全集 別巻(エッセー+雑録)』(国書刊行会)を本屋で見かけた。 今までの中で一番厚いし高い。 第8巻の未刊行短篇を集めた巻で税込み1万円を超えて最終巻はそれよりも高くなった。 いずれ買うのだけれど今月これを買うとあとは何も買えないか…

なぜうけたのか

『クライム・クラブへようこそ (植草甚一スクラップ・ブック18)』を本屋で見かけた。 東京創元社の「クライム・クラブ」、「現代推理小説全集」の解説を収録した巻。 これもいずれ買わなければ。 全部読んだわけではないのだが、「クライム・クラブ」、…

日向まさみち『本格推理委員会』

日向まさみち『本格推理委員会』(産業編集センター 2004年7月31日発行 定価¥1,100) プロローグに「当然ながら事件の犯人は論理的な思考によって導き出された」と書かれていたので「ライト・ノベルの中の数少ないロジック・ミステリか」と読み始めるとそれ…

ピノキオ

ケーブルテレビのムービープラスでクリス・コロンバス監督ロビン・ウィリアムズ主演『アンドリューNDR114』を放映していたので見た。 この映画と同じピノキオテーマ*1の映画の近作に『AI』があるがそれよりもバランスがとれた映画だ。 『AI』は、キュ…

金庸『天龍八部』

金庸『天龍八部』(全8巻 1957年作品 徳間書店)読了。 読み始めると巻置くあたわずのノンストップ・ジェットコースター・ノベルを読み終わった。 一段組みとはいえ1巻350ページ8巻を、日曜日の昼から2日半ひたすら読み続けたので疲れた。 けれどとて…