乾くるみ『リピート』

 乾くるみ『リピート』(文藝春秋 2004年10月25日発行 定価¥1,571+税)

 おもしろい。

 ケン・グリムウッド『リプレイ』(新潮文庫)ネタを、といっても『リプレイ』を元にしたドラマ『君といた未来のために』(日本テレビ 1991年放映 堂本剛遠藤久美子仲間由紀恵佐野史郎内藤剛志出演)は見ているが元ネタの『リプレイ』は読んでいないのだけれど、ミステリに仕立てた快作。

 前作の『イニシエーション・ラブ』といい本作品といい<技巧的なあまりにも技巧的な>作品が続くなぁ。

 ミステリの趣向を凝らしたタイム・トラベルものというと広瀬正『マイナス・ゼロ』(集英社文庫)、久米康之『猫の尻尾も借りてきて』(ソノラマ文庫)、高畑京一郎タイム・リープ―あしたはきのう』(電撃文庫)がありこれらはタイム・パラドックスもの。
 『リピート』はまったく別物だけれど西澤保彦『七回死んだ男』(講談社文庫)の趣向に近い。
 そういえば『七回死んだ男』もこの型の快作でした

リピート

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