チャンドラー離れか?

 遅ればせながら、原りょう『愚か者死すべし』(早川書房 2004年11月30日発行 定価1,600+税)を読み始めた。

 原りょうの小説は、ロス・マクドナルドのプロットをチャンドラー『長いお別れ』の訳清水俊二の文体で書いたもの。

 日本人の作品で比べると生島治郎矢作俊彦よりも結城昌治『暗い落日』をはじめとする真木シリーズに近い小説である。

 それで、この『愚か者死すべし』なのだがチャンドラーの匂いがまったくない。