フィリップ・マーロウは
文庫占い(http://u-maker.com/202124.html)はハヤカワ文庫でした。
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太田忠司『予告探偵 西郷家の謎』(中央公論社 C*NOVELS 2005年12月15日発行 定価¥900)読了
この最後はいったい・・・。
わたしゃ好きだが怒る人がたくさんいそうだ。
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- 発売日: 2005/01/10
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NHK−BS2の衛星映画劇場は『カサブランカ』(1942年作品)。
最後の15分ぐらいを見た。
「ハードボイルドはわからない」と言っていた瀬戸川猛資が「カサブランカを見てハードボイルドがなんとなくわかった。たぶんレイモンド・チャンドラーはこれだろう。リック(ハンフリー・ボガートが演じた酒場の主人)がフィリップ・マーロウ」といった意味のことをどこかで書いている。
「ミステリ・マガジン」で読んだ記憶があるのでたぶん『夢想の研究』(創元推理ラウブラリ)か『夜明けの睡魔』(創元推理ライブラリ)でだと思う。
手元に本がみつからないのでうろ覚え。
「ああ、なるほど、言えてるかも」と思い、それからは「レイモンド・チャンドラーってどんな作品書いたの?」という人にチャンドラーを説明するときこの瀬戸川猛資の言葉を使わせてもらっていたのだが本日あらてめて(最後だけだけれど)見て思ったのは「瀬戸川猛資の言葉はちょっとちがうな」
どちらかというとフィリップ・マーロウはフランスの警察署長ルノオのほうが近い。
リックは大鹿マロイ(さらば愛しき人よ)でありテリー・レノックス(長いお別れ)だ。
『カサブランカ』はチャンドラーの世界のある一面を語り手を変えて描いた世界。
「ある一面」と書いたのは、チャンドラーはここまで感傷的なお話は書かなかったから。
チャンドラー作品を感傷的と日本ではとらえられてしまったのは、清水俊二訳の弊害の一つ。
もちろん清水俊二訳には功も多いのだけれど。
ゾウはなかなか消えない
この本が翻訳されるとは思わなかった。
翻訳されないと思い原書買ったのに。
しかも最初のほうしか読んでないし。
でも、めでたいかぎり
ジム・ステインメイヤー『ゾウを消せ 天才マジシャンたちの黄金時代』(飯泉 恵美子訳 河出書房新社 2006年2月17日発売予定 定価¥2,520)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/4309224474
ジム・スタインメイヤーJim Steinmeyerは、マジック・トリック・クリエーターで、マジック・コンサルタントで、マジック・ヒストリーの研究家。
デヴィッド・カッパーフィールドはじめ数々の有名イリュージョニストのコンサルタントをし、最近ではロンドン・ミュージカル「メリー・ポピンズ」のコンサルタントもしている。
彼が創作したもっとも有名なマジックというとイリュージョン「オリガミ」だろうか。
スタインメイヤーの作るマジックを一言でいうと実用的で詩的。
マジック・ヒストリーの研究本も数冊書いている。
とういわけでマジックを見ることが好きな人はぜひ買いましょう。
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ゾウの出現マジックで一番難しいのはゾウのしつけ。
隠れているときはじっとおとなしくさせ現われるやいなや「パオー!」と鳴かせる。
これがなかなか難しい。
いや、ゾウを飼ったことは無いのでこれは想像なんだけれど。
Hiding the Elephant: How Magicians Invented the Impossible and Learned to Disappear
- 作者: Jim Steinmeyer
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- 作者: ジム・ステインメイヤー,飯泉恵美子
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エルムズレイのこと、その1
20世紀最高のカードマジック・クリエーターの1人アレックス・エルムズレイAlex Elmsleyが1月8日に亡くなった。
享年76歳。
数々のすばらしい作品を残してくれたエルムズレイ。
今頃はジャック・エイビスJack Avisたちと天国でカード・マジック見せ合っているのだろうか。
* * * *
アレックス・エルムズレイの名が一躍マジック界に知れ渡ったのはルイス・ギャンソンLewis Gansonの解説によるダイ・ヴァーノンDai Vernonのカード・マジック作品本『More Inner Secret of Card Magic』(1959年作品)で発表された「Twisting the Aces」でだろう。
「Twisting the Aces」ではあるテクニックを使う。
エルムズレイが発明したテクニックでありエルムズレイの名がついている。
エルムズレイの名で即連想するのがこのテクニックであり1970年代のカード・マジックを飛躍的に発展させ、その後のパケット・トリック全盛を作ったテクニックである。
ところがエルムズレイの膨大な作品を集めた分厚い2巻本『The Collected Works of Alex Elmsley』の中にはこのテクニックを使った作品がとても少ない。
2つか3つぐらしかない。
では、エルムズレイは、自分が発明し自分の名をマジック界に広めたこのテクニックをあまり使わなかったのかといえばどうもそうではないらしい。
(この項続く)
第134回直木賞予想
候補作は東野圭吾『容疑者Xの献身』、姫野カオルコ『ハルカ・エイティ』、恩田陸『蒲公英草紙』、恒川光太郎『夜市』、伊坂幸太郎『死神の精度』、荻原浩『あの日にドライブ』。
珍しく候補作を3作『容疑者Xの献身』『蒲公英草紙』『死神の精度』も読んでいるので予想してみる。
東野圭吾『容疑者Xの献身』の受賞はたぶんない。
選考委員が選考委員だから。
伊坂幸太郎は『死神の精度』で別に受賞しなくても『魔王』もおもしろいし『砂漠』も評判いいしでこれからもいくらでもチャンスはある。
(直木賞受賞作一覧のサイトをみると伊坂幸太郎作品は『重力ピエロ』『チルドレン』『グラスホッパー』とここ2、3年は毎年のように候補作になっているのね)
恩田陸は前回の候補作『ユージニア』や候補にもならなかった『夜のピクニック』のほうがよかったので今回は受賞。
直木賞はいつも「前回候補作のほうがよかったのに」という作品が受賞するから。
古畑任三郎ファイナル第1夜
古畑任三郎ファイナル第1夜「今、蘇る死」
1月3日21時半、フジテレビ。
事件が起きた東京の外れにある村の名前が鬼切村。
そして石坂浩二。
わらべ歌・鎧・その他諸々と横溝映画パロディのような始まり方をしたので、「こういった趣向は『トリック』のほうに任せておけばいいのに、今回もあまり期待してはいけないかぁ...」と見始めたのだがその懸念は裏切られおもしろく見終えることが出来た。
謎解きミステリを読みなれている人には割りと分かりやすい伏線が張られていたので(いや、読みなれていなくても気づくかな?)ラストがどのような形になるのかある程度の予想がつきその予想どおりの結末が待っていたわけなのだがこのシリーズの特徴をうまく使った趣向を加えたところがよかった。
多少ご都合主義のところもあるのだが細かいところまでよく練られていたプロットでもあったし。
今回のを見ると前回昨年の正月スペシャルの出来は一体何だったのだろうと思ってしまう。
ただ、おもしろい趣向だったのだがこの趣向は第1夜ではなく第3夜に持ってきたほうがよかったのではなかろうかという疑問はある。
第2夜、第3夜の放映が終わったところでこの疑問は解決しているか?
* * * *
鬼切村のわらべ歌を歌いに現われたおばあちゃんの役を○○○○○が演じていたのが笑った。
この配役は『トリック』では出来ないだろうな。
そんなのだいたい分かるさ
「今どきは糸なんて使わない」
「使うとしたら、○○○○と□□□□□」
これは森博嗣『Φは壊れたね』の中での密室トリック論議の中での西之園萌絵の言葉。
(○○○○や□□□□□にはちゃんと言葉が入っている)
森博嗣はマジックのトリックについてある本の中で「だいたい分かる」と言っている人。
「分かったからってどうなんだ」とか「マジック通でもないのに何を言っているのやら」(もっとも、ミステリ通なら謎解きミステリのだいたいの犯人やトリックがわかるわけではないように、マジック通がマジックのタネをだいたいわかるわけではない。このあたりの話はまたいつか)とか言いたいところもあるのだが萌絵に上の言葉を言わせている森博嗣ならある種のマジックのタネならだいたいわかるかもしれないという気もする。
ある種のマジックとは、精巧なメカにシカケが頼っているマジック。
「今どきは糸なんて使わない」
「使うとしたら、○○○○と□□□□□」
これはそれらの精巧なメカがタネのマジックのそのまたある分野の△△△△△のタネの傾向にも言え、森博嗣がこのマジックを見たらきっとタネを推測できるだろうしそうなると「マジックのシカケだいたいわかる」と言いたくもなるだろうという気がしたわけである。
森博嗣だけでなく工学の知識を持っている人であればたぶん推測できるだろうからそれらの人たちも「だいたい分かる」と思っているかもしれない。
また、森博嗣は建築工学の専門家でもある。
建築工学の専門家であれば胴体切断のような箱もののマジックのタネも、たぶん推測つくだろう。
本日はミステリの中の登場人物のセリフから連想したことをとりとめなく話してみた。