マジェイア


 ポール・ギャリコ『ほんものの魔法使』(Paul Gallico 「The Man who was Magic」、1966年作品)(矢川澄子訳 ちくま書房 ちくま文庫 2006年2月10日発行 定価¥780)を購入。


 世界中の奇術師が集う町マジェイア。
 ある日現れた旅人が数々の不思議を見せる。
 マジェイアのマジシャンたちは誰も彼のマジックのタネがわからない。
 彼はいったい・・・、というお話。


 長らく絶版だったのでうれしい復刊。


 ほんものの魔法使いは必読のファンタジー
 と言ってはいるが昔昔読んだきりですっかり内容を忘れている。
 魔法使い失格?


 *     *     *


 『ほんものの魔法使』訳者あとがきを見ると「奇術専門用語の訳し方については、田中潤司氏のご教授を仰ぎました」とある。

 田中潤司はミステリ研究家、翻訳家でありアマチュア・マジシャンとしても名が知られている。
 クレイトン・ロースン『折れた足の手懸り』を力書房の奇術専門誌『奇術研究』(1956〜1978)に訳し載せている。
 ディクスン・カーと面識があることは北村薫さんがそのことを話していたがクレイトン・ロースンとも会っているらしい。


 翻訳家でマジシャンといえば阿部主計もその一人。
 不可能犯罪ミステリの惜しい佳作、クレイトン・ロースン『天外消失』を訳している。


 東京創元社から出ていたクレイトン・ロースンの『首のない女』と『世界名作推理小説大系』版の『帽子から飛び出した死』を訳している上野景福は大学教授。
 日本マジック界の名士の方々が参加されているTAMC(東京アマチュア・マジシアンズ・クラブ)に所属していたアマチュア・マジシャン。


ほんものの魔法使 (ちくま文庫)

ほんものの魔法使 (ちくま文庫)